CASE

みらいスクールステーションの活用・実践事例集

成功の秘訣は事例で知る

教育の現場で実践される、
みらいスクールステーションの教育ICT。

GIGAスクール構想の前倒し実施にともない、「生徒1人1パソコン」や「1教室1電子黒板」の環境に加え、校内LAN(無線/有線)やICT機器の整備も進んできました。2020年から必須科目して取り入れられているプログラミング授業に向けて積極的に取り組む姿勢も求められています。

こうした教育ICT導入についての環境は、地域や自治体、施設によって異なります。さらに、各種のICT機能を活用した実践ともなると、可能性は実に無限大。ここでは、全国の小学校・中学校・高等学校による「みらいスクールステーション」の導入と、実践の事例を紹介します。教員の方は、ぜひ今後の授業にお役立てください。

教育ICT活用事例

教育ICTの普及にともない、生徒の学ぶ意欲の向上や、授業内でのディスカッションの実施、
生徒同士の連携など、現場ではこれまでにない新たな学びの場面が生まれています。
実際に教育ICTを活用した取り組みを行う現場の様子ご覧ください。

事例を絞り込む

ご覧になりたい事例のジャンルを選択して下さい。

導入施設

導入機能

CONTACT

まずはお気軽に
ご相談ください

資料請求 みらいスクールステーションの機能を
実際にご確認いただくことができます
お問い合わせ 質問だけでもOK。ご不明点など
お気軽にお問い合わせ下さい

お電話でのお問い合わせはこちら

0120-964-529 平日 10:00〜17:00まで受付

ICT教育どう活かす?小学校・中学校・高校における取り組み

2020年(平成32年)度より小学校のカリキュラムにプログラミング教育を取り入れることが必須となりました。文部科学省はプログラミング教育導入の目的を、加速するグローバル化と情報化に備えるためとしていて、平成29年度に改訂された学習指導要領にも盛り込んでいます。

プログラミング教育と聞くと、多くの親御さんは「プログラミング言語を覚えさせられるの?」「プログラマーを育成するための授業なの?」と理解されるようです。プログラミング教育のねらいは、あくまで「プログラミング的思考」の育成であり、プログラミングの技術を身につけることではありません。

コンピュータやロボットに意図した処理を行わせるためには、どの記号を使い、どの順番で指示を与えるべきかという考えは、「問題の解決や改善のためにはどのような手順でどのように行動すべきか」といった思考の形成につながります。子どもたちが将来どんな進路、職業を選んだとしても必要な思考であり、ひいてはグローバル化、情報化した時代で生き抜くために不可欠と考えられているのです。

1.すべての教科・学年にわたって取り組むことが求められる

プログラミング体験から論理的思考を鍛えるプログラミング教育は、新しく教科を設置するものではありません。国語、算数(数学)、理科、社会、英語、体育すべての教科、校外学習、クラブ活動、行事で実施してよく、またその場面や方法も各学校の指導者や教員に委ねられています。さらに、小学校であれば1年生〜6年生、中学校・高校なら1年生〜3年生まで、各学年に適したプログラミング教育の実施が求められています。各教科における実施例を見てみましょう。

理科
電気製品のプログラムを理解する

化学
イオンの動きを従来のイラストではなくアニメーション動画で理解する

算数
図の作成を通じてプログラミング的思考と数学的思考との関係を知る

数学
座標平面上の2点を選ぶとグラフが作成できるソフトを使い、タブレット上で傾きや切片のクイズを出し合う

図画工作
プログラミングによって創造物を動かし、新たな芸術的発想・創意工夫を生み出す
このように、学力や能力に応じたユニークな授業が行われています。また、プログラミング教育は学習だけでなく、情報モラルやネットリテラシーを含む情報活用能力の育成にも貢献するとされています。

2.ICT機器を使ったICT教育

プログラミング教育の実施に向けて、文科省はICT機器を活用したICT教育に積極的に取り組むよう明示しています。

ICT教育は、2010年に総務省が「フューチャースクール推進事業」を実施したころから注目されはじめました。「フューチャースクール推進事業」とは、教育の分野でICTを活用するため、生徒にひとりにつき1台のタブレット端末などICT機器を配布し、情報技術の実証研究を行った事業のことです。

ICT教育では、パソコンやタブレット端末、プロジェクタなどを利用し、教科書や紙資料、黒板だけでは実現できなかった授業を行います。教員と生徒ひとりひとりに配布された端末では、誰かが書き込んだ解答が一斉に共有されたり、大型モニターに提示したり拡大表示できたりします。

また、グループに分かれた生徒同士がひとつのタブレットを共有し、動画やアニメーション教材をつかってディスカッションしながら学ぶことができます。教員がタブレットや電子黒板に書き込んだものをデータ化して保存しておけば、生徒が自宅で復習する際に簡単に呼び出すことができます。

ICT教育は授業の効率化だけでなく、先生から生徒への一方通行の授業ではなく、先生と生徒あるいは生徒同士が相互にコミュニケーションを取る双方向の授業を可能にします。こうしたICT教育によって、子どもたちは主体的に学ぶ力やプレゼンテーション能力を育んでいくと考えられます。

3.教育ICT機器の活用が教員の負担減に

ICT教育は、教員や指導者にもメリットをもたらします。とにかく多忙な小学校、中学校、高校の教員にとって、毎回の授業の準備や生徒によって異なる習熟度の把握は、とても負担が大きいでしょう。また、書いては消してを繰り返す板書も意外と大変です。

教育ICT機器を活用した授業なら、教員のタブレットから生徒の端末へ一瞬で教材を配信できたり、生徒の解答や書き込みの管理も簡単にできたりします。電子黒板やタブレットへの書き込みは、生徒の端末への同時に表示させたりといったことも可能です。

さらには、クラス全員の解答を一画面で比較することも可能であり、学習の理解度を容易に把握できます。このように、ICT機器を活用したICT教育は、教員の負担を軽減することにも役立っているのです。

今、さまざまな小学校・中学校・高校、および特別支援学校でICT教育が進んでいます。一方で、具体的にどのように授業に取り入れればいいかわからないと嘆く教員・指導者も少なくありません。ご自身の教育現場でどのように教育ICTを活用できるのか、ぜひ「教育ICT活用事例集」を参考に検討してみてはいかがでしょうか。

学習意欲と指導力の向上に寄与。ICT教育が生む効果とは

ICT教育による意識の変化と効果を調査するため、文部科学省は「学びのイノベーション事業」実証校となった全国の小中学校の児童生徒や教師に対し、アンケートと学力テストを実施しました。

アンケートは、「関心・意欲・態度」「知識・理解・技能」「思考力・判断力・表現力」や、教員用に構築したICT環境への評価、児童生徒用に構築したICT環境への評価、協働学習に関する評価の観点から、該当する小中学校の全学年に対して行われました(調査時点は平成22~24年の年度末および平成25年12月)。

結果、ICT教育は児童生徒の授業への関心を高め、理解を深めるために有効である、といった報告がまとめられています。

「わかりやすい」「もっと使いたい」など学習意欲の向上が見られた

「実証研究報告書」によると、コンピュータやプロジェクタ、デジタル教科書等の機器を用いたICT授業に対し、約8割の生徒が「楽しく学習することができた」「わかりやすい」「自分の考えや意見を伝えやすい」と答えています。また、「コンピュータを使って発表したい」「本やインターネットを使ってグループで調べる活動を行なっている」と述べるなど、全体的に学習意欲の向上が見られました。標準学力検査(CRT)の結果では、全国と比較して低い評定の出現率が減少、特に中学校では高い評定の出現率が多い集団ではさらに高くなる傾向が見られました。さらに、約7割の児童生徒は「もっと多くの単元でデジタル教科書を使いたい」と回答しており、ICT機器そのものに対しても肯定的であることがわかります。また、ICT機器の操作・活用能力が確実に向上しているとも示されています。

教員の約8割が「効果的」と評価。指導力アップにも

実際に教える立場の教員はどうでしょうか。資料によると、生徒の「意欲・理解を高めること」「思考を深め広げること」「表現や技能を高めること」において、約8割の教員が「ICT教育は効果的」と評価しています。また、電子黒板については9割以上の教員が「使いやすい」と答え、特に小学校においては「ほぼ毎日電子黒板を用いる」と答えています。さらに教員のICT活用指導力に関しては、学びのイノベーション事業開始当初より数値が上がっていることがわかっています。

効果的な授業のためにどう使いこなすか

ICT教育が推進され、ひとり一台の情報端末、電子黒板、校内無線LAN…などの環境が整備されても、それを使う生徒や教員側の理解が追いつかなければICT教育は定着しないでしょう。「使いこなせないから使わない」「推奨されているから仕方なく使う」のではなく、生徒の学習意欲や学力の向上、教員にとって効率的な授業のためにICTを「どう利用する」のが効果的なのか。そのために本当に必要なICTとは何だろうか。といった観点からICT教育を考えてみるといいかもしれません。