CASE
みらいスクールステーションの活用・実践事例集
成功の秘訣は事例で知る
教育の現場で実践される、
みらいスクールステーションの教育ICT。
GIGAスクール構想の前倒し実施にともない、「生徒1人1パソコン」や「1教室1電子黒板」の環境に加え、校内LAN(無線/有線)やICT機器の整備も進んできました。2020年から必須科目して取り入れられているプログラミング授業に向けて積極的に取り組む姿勢も求められています。
こうした教育ICT導入についての環境は、地域や自治体、施設によって異なります。さらに、各種のICT機能を活用した実践ともなると、可能性は実に無限大。ここでは、全国の小学校・中学校・高等学校による「みらいスクールステーション」の導入と、実践の事例を紹介します。教員の方は、ぜひ今後の授業にお役立てください。
教育ICT活用事例
教育ICTの普及にともない、生徒の学ぶ意欲の向上や、授業内でのディスカッションの実施、
生徒同士の連携など、現場ではこれまでにない新たな学びの場面が生まれています。
実際に教育ICTを活用した取り組みを行う現場の様子ご覧ください。
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導入施設
導入機能
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武蔵野東小学校(東京都)
授業と情報連絡と学校運営の効率化を実感 ~電子黒板とみらスクをセット導入~
武蔵野東小学校には、「みらいスクールステーション」が導入され、“1人ひとりの個性を引き出す教育”が日々行われている。今回の取材では、本システムの導入の背景や活用状況について先生方にお話しを伺った。
- 学校放送
- プロジェクター
- 教育ICT
- プロジェクター型電子黒板
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大阪信愛学院小学校(大阪府)
授業が楽しみだ!という児童が増えた教育ICT ~ICT利用の不安をみらスクで解決~
「みらいスクールステーション」の導入その決め手は、「テレビのリモコンを使うのと同じ感覚で、誰でも簡単に操作できる点」。この度のICT整備により、先生方のこれまで授業準備にかかっていた手間や不安が無くなったことに加え、子ども達の授業に向き合う姿勢にも変化が現れた。みらスクをどのように活用しているのか、そのポイントを取材した。
- 学校放送
- 電子掲示板
- 校内ライブ放送
- プロジェクター
- 教育ICT
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京都産業大学附属中学校・高等学校(京都府)
さまざまな授業で、さまざまな先生が毎日活用する教育ICT
導入した直後から多くの教室でICTを活用した授業が日常的に実践されるようになったという。その利用率の高さに導入担当者も想定外の喜びを口にする。「みらいスクールステーション」の活用状況や選定の決め手とは?
- 学校放送
- 電子掲示板
- プロジェクター
- プロジェクター型電子黒板
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横浜市立峯小学校(神奈川県)
デジタルテレビの活用で「動きのある教材提示」 授業から食育までさまざまなシーンで教育ICT~
授業では「みらスク」で、デジタル教材をテレビ画面に大きく映し出し、ポイントとなる箇所で『書き込みを行う』授業を展開し効果的な指導に役立てている。また、授業以外でも「みらスク」を活用。
- 電子掲示板
- デジタルテレビ
- 教育ICT
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京都産業大学附属中学校・高等学校(京都)
さまざまな授業で、多くの先生が毎日活用。 リモコン操作で、ポチッとパッと教材提示
全ての普通教室に、「メディアボックス」と電子黒板機能付プロジェクターを整備しています。ノートPC にある管理・運用の手間がなくなり、ICT が得意ではない先生も含めて、導入直後から毎日ご活用いただいている実践事例です。
- 学校放送
- 電子掲示板
- 校内ライブ放送
- 教育ICT
- プロジェクター型電子黒板
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横浜市立峯小学校(横浜市)
デジタルテレビの有効活用で、子どもの「わかった!」を引き出す。 授業から食育まで。さまざまなシーンで教育ICT
既存のデジタルテレビに、ユニット型電子黒板と「メディアボックス」を組み合わせて、最新の教育ICT環境を実現しています。ビジュアルを用いた分かり易い教材提示で、より充実した毎日を過ごされている教育ICT実践事例です。
- 学校放送
- 電子掲示板
- 校内ライブ放送
- デジタルテレビ
- 教育委員会
- 教育ICT
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大阪信愛学院小学校(大阪府)
「授業が楽しみだ!」という児童が増えた、教育ICT。 新校舎の竣工にあわせて、快適な学びの空間を実現
リモコン操作やタブレット画面転送による、デジタル教材を用いた快適な教育ICT 環境を整備された教育ICT実践事例です。「メディアボックス」のすばやい起動とリモコン操作によって、どの先生も毎日ご利用いただいている活用例です。
- 学校放送
- 電子掲示板
- 校内ライブ放送
- プロジェクター
- 教育ICT
- タブレット授業
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小布施町栗ガ丘小学校(長野県)
電子黒板機能付きプロジェクターにすばやく教材提示。リモコン操作でICT授業
校内LANと教室の電子黒板機能付 きプロジェクターにつなぎ、教室に 常設する「メディアボックス」は、教室 へのPCの持込や機器接続の手間かなくなり、いつでもICT授業が実践できます。
- 教育ICT
- プロジェクター型電子黒板
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茅野市教育委員会(長野県)
体育館での授業を、複数の教室に一斉ライブ中継
「豊かな学びへの挑戦」をテーマにした茅野市授業改善教育研究会には、市内先生を中心に約400人が参加 しました。体育館で行われるメイン授業は、全員が参観できるようにするために「みらいスクールステーショ ン 校内ライブ放送」を使用し、校舎内8つの教室に生中継が行われました。
- 学校放送
- 電子掲示板
- 校内ライブ放送
- デジタルテレビ
- プロジェクター
- 教育委員会
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横浜雙葉小学校(神奈川県)
教室のテレビを活用して、全校朝礼を実施
学園長であるシスターのお話を聞く月初めの朝礼には、みらいスクールステーションの『校内ライブ放送機能』が活用されています。ビデオカメラと配信専用PCを撮影場所に運び込むだけで全校放送が実現するため、学校の日常生活を円滑に進めることにもつながっています。
- 学校放送
- 電子掲示板
- 校内ライブ放送
- デジタルテレビ
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荒川区立ひぐらし小学校(東京都)
運動会の映像を、モニタールームの保護者にライブ配信
毎年大勢の保護者が来校する運動 会では、グラウンドに保護者席を充分に用意するこ とが困難でした。メディアボックス導入後は、校内の1フロアを開放 し、「モニタールーム」を設置すること で解消。グラウンドの様子を本部席のビデオ カメラで撮影し、映像をノートパ ソコンから配信。モニ タールームのテレビにはメディア ボックスを接続し、校内LANを介してライブ映像を視聴できるようにしました。
- 学校放送
- 校内ライブ放送
- デジタルテレビ
- 教育ICT
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立命館中学校・高等学校(京都府)
校内のあらゆる大型提示装置を情報掲示板として活用
立命館中学校・高等学校の建物内の131ヶ所のディ スプレイには、みらいスクールステーションのメディアボックスが設置されています。この学校で は、「電子掲示板」「校内放送」「教材コンテンツ視聴」の機能が毎日のように活用されていて、 もはや学校生活に欠かせないICT機器となっています。
- 学校放送
- 電子掲示板
- デジタルテレビ
- プロジェクター
- 教育ICT
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鹿児島県立鹿児島聾学校(鹿児島県)
電子掲示板とシグナルタワーをICTでつなぐ
鹿児島聾学校では、国内有数の活火山「桜島」の噴火対策や台風や地震といった厳しい気象環境 と共生するために安全対策にも力を入れています。聾学校では、校内放送 や警報の“音”だけでなく、“視覚的 な情報”で補う必要があります。メディアボックスを設置し、電子掲示板とシグナルタワーをつなぐことで、子どもたちに「今、何が起きていて何をすべきか」を視覚的に、しかも正確に伝えられるようになりました。
- 学校放送
- 電子掲示板
- デジタルテレビ
- 防災情報通知
- 教育ICT
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長崎県立ろう学校(長崎県)
安心と安全を届ける「見える校内放送」~文字と映像で迅速な情報連絡を実現~
ろう学校の運営は、非常時に正確な情報を迅速に子ども達、教職員に届けることを優先しなければならない。そのためには、音声放送や警報音と共に“視覚的な情報”で補う必要がある。同校では、モニター、シグナルタワー、火災報知器に「みらいスクールステーション」を連携させた「見える校内放送」を活用されている。
- 学校放送
- デジタルテレビ
- 防災情報通知
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江南市立西部中学校(愛知県)
タブレットを活用した教育ICT活用事例
理科の実験では、数値や現象の変 化を丁寧に観察・記録することが求 められます。実験に入ると、生徒は活発に意見 を交わしながら観察を進め、発表用 の考察をタブレットにまとめていきます。
- デジタルテレビ
- 教育ICT
- タブレット授業
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ICT教育どう活かす?小学校・中学校・高校における取り組み
2020年(平成32年)度より小学校のカリキュラムにプログラミング教育を取り入れることが必須となりました。文部科学省はプログラミング教育導入の目的を、加速するグローバル化と情報化に備えるためとしていて、平成29年度に改訂された学習指導要領にも盛り込んでいます。
プログラミング教育と聞くと、多くの親御さんは「プログラミング言語を覚えさせられるの?」「プログラマーを育成するための授業なの?」と理解されるようです。プログラミング教育のねらいは、あくまで「プログラミング的思考」の育成であり、プログラミングの技術を身につけることではありません。
コンピュータやロボットに意図した処理を行わせるためには、どの記号を使い、どの順番で指示を与えるべきかという考えは、「問題の解決や改善のためにはどのような手順でどのように行動すべきか」といった思考の形成につながります。子どもたちが将来どんな進路、職業を選んだとしても必要な思考であり、ひいてはグローバル化、情報化した時代で生き抜くために不可欠と考えられているのです。
1.すべての教科・学年にわたって取り組むことが求められる
プログラミング体験から論理的思考を鍛えるプログラミング教育は、新しく教科を設置するものではありません。国語、算数(数学)、理科、社会、英語、体育すべての教科、校外学習、クラブ活動、行事で実施してよく、またその場面や方法も各学校の指導者や教員に委ねられています。さらに、小学校であれば1年生〜6年生、中学校・高校なら1年生〜3年生まで、各学年に適したプログラミング教育の実施が求められています。各教科における実施例を見てみましょう。
理科
電気製品のプログラムを理解する
化学
イオンの動きを従来のイラストではなくアニメーション動画で理解する
算数
図の作成を通じてプログラミング的思考と数学的思考との関係を知る
数学
座標平面上の2点を選ぶとグラフが作成できるソフトを使い、タブレット上で傾きや切片のクイズを出し合う
図画工作
プログラミングによって創造物を動かし、新たな芸術的発想・創意工夫を生み出す
このように、学力や能力に応じたユニークな授業が行われています。また、プログラミング教育は学習だけでなく、情報モラルやネットリテラシーを含む情報活用能力の育成にも貢献するとされています。
2.ICT機器を使ったICT教育
プログラミング教育の実施に向けて、文科省はICT機器を活用したICT教育に積極的に取り組むよう明示しています。
ICT教育は、2010年に総務省が「フューチャースクール推進事業」を実施したころから注目されはじめました。「フューチャースクール推進事業」とは、教育の分野でICTを活用するため、生徒にひとりにつき1台のタブレット端末などICT機器を配布し、情報技術の実証研究を行った事業のことです。
ICT教育では、パソコンやタブレット端末、プロジェクタなどを利用し、教科書や紙資料、黒板だけでは実現できなかった授業を行います。教員と生徒ひとりひとりに配布された端末では、誰かが書き込んだ解答が一斉に共有されたり、大型モニターに提示したり拡大表示できたりします。
また、グループに分かれた生徒同士がひとつのタブレットを共有し、動画やアニメーション教材をつかってディスカッションしながら学ぶことができます。教員がタブレットや電子黒板に書き込んだものをデータ化して保存しておけば、生徒が自宅で復習する際に簡単に呼び出すことができます。
ICT教育は授業の効率化だけでなく、先生から生徒への一方通行の授業ではなく、先生と生徒あるいは生徒同士が相互にコミュニケーションを取る双方向の授業を可能にします。こうしたICT教育によって、子どもたちは主体的に学ぶ力やプレゼンテーション能力を育んでいくと考えられます。
3.教育ICT機器の活用が教員の負担減に
ICT教育は、教員や指導者にもメリットをもたらします。とにかく多忙な小学校、中学校、高校の教員にとって、毎回の授業の準備や生徒によって異なる習熟度の把握は、とても負担が大きいでしょう。また、書いては消してを繰り返す板書も意外と大変です。
教育ICT機器を活用した授業なら、教員のタブレットから生徒の端末へ一瞬で教材を配信できたり、生徒の解答や書き込みの管理も簡単にできたりします。電子黒板やタブレットへの書き込みは、生徒の端末への同時に表示させたりといったことも可能です。
さらには、クラス全員の解答を一画面で比較することも可能であり、学習の理解度を容易に把握できます。このように、ICT機器を活用したICT教育は、教員の負担を軽減することにも役立っているのです。
今、さまざまな小学校・中学校・高校、および特別支援学校でICT教育が進んでいます。一方で、具体的にどのように授業に取り入れればいいかわからないと嘆く教員・指導者も少なくありません。ご自身の教育現場でどのように教育ICTを活用できるのか、ぜひ「教育ICT活用事例集」を参考に検討してみてはいかがでしょうか。
学習意欲と指導力の向上に寄与。ICT教育が生む効果とは
ICT教育による意識の変化と効果を調査するため、文部科学省は「学びのイノベーション事業」実証校となった全国の小中学校の児童生徒や教師に対し、アンケートと学力テストを実施しました。
アンケートは、「関心・意欲・態度」「知識・理解・技能」「思考力・判断力・表現力」や、教員用に構築したICT環境への評価、児童生徒用に構築したICT環境への評価、協働学習に関する評価の観点から、該当する小中学校の全学年に対して行われました(調査時点は平成22~24年の年度末および平成25年12月)。
結果、ICT教育は児童生徒の授業への関心を高め、理解を深めるために有効である、といった報告がまとめられています。
「わかりやすい」「もっと使いたい」など学習意欲の向上が見られた
「実証研究報告書」によると、コンピュータやプロジェクタ、デジタル教科書等の機器を用いたICT授業に対し、約8割の生徒が「楽しく学習することができた」「わかりやすい」「自分の考えや意見を伝えやすい」と答えています。また、「コンピュータを使って発表したい」「本やインターネットを使ってグループで調べる活動を行なっている」と述べるなど、全体的に学習意欲の向上が見られました。標準学力検査(CRT)の結果では、全国と比較して低い評定の出現率が減少、特に中学校では高い評定の出現率が多い集団ではさらに高くなる傾向が見られました。さらに、約7割の児童生徒は「もっと多くの単元でデジタル教科書を使いたい」と回答しており、ICT機器そのものに対しても肯定的であることがわかります。また、ICT機器の操作・活用能力が確実に向上しているとも示されています。
教員の約8割が「効果的」と評価。指導力アップにも
実際に教える立場の教員はどうでしょうか。資料によると、生徒の「意欲・理解を高めること」「思考を深め広げること」「表現や技能を高めること」において、約8割の教員が「ICT教育は効果的」と評価しています。また、電子黒板については9割以上の教員が「使いやすい」と答え、特に小学校においては「ほぼ毎日電子黒板を用いる」と答えています。さらに教員のICT活用指導力に関しては、学びのイノベーション事業開始当初より数値が上がっていることがわかっています。
効果的な授業のためにどう使いこなすか
ICT教育が推進され、ひとり一台の情報端末、電子黒板、校内無線LAN…などの環境が整備されても、それを使う生徒や教員側の理解が追いつかなければICT教育は定着しないでしょう。「使いこなせないから使わない」「推奨されているから仕方なく使う」のではなく、生徒の学習意欲や学力の向上、教員にとって効率的な授業のためにICTを「どう利用する」のが効果的なのか。そのために本当に必要なICTとは何だろうか。といった観点からICT教育を考えてみるといいかもしれません。